エピソード I 編

 

REPUBLIC CRUISER
リパブリック・クルーザー

<ラディアントVII>はオビ=ワン・ケノービとクワイ=ガン・ジンがナブーへの任務の際に乗船したリパブリック・クルーザーである。この艦は34年間にわたって共和国に配備されており、しばしば平和的外交任務のため、ジェダイや特使、外交官を銀河中に輸送していた。

  だが、この由緒ある船も通商連合のドロイド司令船に2人の特使を降ろした後、破壊されてしまう。一般に外交目的のクルーザーには平和を象徴した赤い船体カラーが採用されており、それは完全な非武装であることの目印にもなっている。全長115メートルのリパブリック・クルーザーには、何千にも及ぶ共和国の言語であらゆるタイプの艦船や装置とメッセージの送受信が行える通信装置が備えられている。

特使専用のサロン・ポッドは装甲によって隔離されており、独立した生命維持装置とセンサーを備えているため、緊急時には脱出ポッドとして使用することもできる。このような多様性と安全性から、本来は船上で直接交渉を行うことも可能になっているのだ。

   
 

TRADE FEDERATION BATTLESHIP
通商連合戦艦

直径3,170メートルのドーナツ型をした通商連合の巨大戦艦は、もともとはホルシュ=ケッセル・ドライブ社で建造された商業用途の大型貨物船だった。

  しかし、関税問題に端を発する共和国との論争が現実的となり、武力を必要とした連合はこれらを多機能型戦艦へと改造・流用したのである。巨大な貨物区画は膨大な上陸軍を運ぶためにほとんど改造を必要としなかったが、一方で船体外側には42基のクワッド・レーザー砲塔が装備され、ドロイド・スターファイターの運搬と充電に用いる電力供給ラックも取り付けられている。大型貨物船を戦艦へと改造することはコスト的には効率的なことが立証されたが、逆に従来の戦艦にはない重大な弱点もあった。クワッド・レーザー砲塔は物理的に外周赤道部分にしか配置できず、死角が多くなるのだ。したがって、防御のために多くのドロイド・スターファイターを展開させなければならず、シールドも強力なものが必要となる。

   
 

TRADE FEDERATION DROID CONTROL SHIP
通商連合ドロイド司令艦

ドロイド司令船は通商連合の他の戦艦と基本的には同じ構造をしているが、外見的には突出した通信タワー、受信アンテナ、モニタ・センサー、その他の通信設備の有無によって見分けることができる。さらに内部にも、通信設備へのエネルギー供給を行う予備反応炉や、中央制御コンピュータが搭載されており、ここで通商連合のドロイド軍団への命令が作成され、送信されている。逆にいえば、連合軍のドロイド部隊はこの司令船による集中管理を行っているため、ドロイド司令船を失うことは完全なる敗北を意味しているのだ。

   
 

TRADE FEDERATION DROID STARFIGHTER
通商連合ドロイド・スターファイター

ドロイド・スターファイターは惑星チャロスIVの巨大聖堂で働くカイ・チャリアンというエイリアンたちによって製造されたものである。彼らは精密な製造業に従事することを教義とした「ホア・チョール」と呼ばれる宗教を設立し、その熱心な信者たちは通商連合の手先となって恐ろしい兵器の製造に利用されている。
  ドロイド・スターファイターには金属を凝縮させた従来にない高価な固形燃料が使われている。これらは点火した際に莫大な推進力を生み出すことができるが、一方で急速に消費されるため、ドロイド・スターファイターはごく限られた時間しか戦闘を続けることができない。しかし、エネルギーの再充填は戦艦上で簡単に行うことができる。非戦闘時には、個々のドロイドは翼と頭を動かして歩行し、定期的な動作テストを行う。そして戦闘が起ると大群で解き放たれ、敵軍を圧倒するのである。

   
 

TRADE FEDERATION MTT (Multi Troop Transport)
通商連合 MTT

全長31メートルのMTTは2体のバトル・ドロイドによって先導され、危険な戦場に侵入する。そこで100体以上のバトル・ドロイドを降ろし、前線における戦闘の支援を行うのだ。前面装甲は混沌とした前線への突入を考慮して重厚に造られており、さらに強化金属スタッドで補強されている。これらは予めプログラムされたルートに沿って移動するが、パイロット・ドロイドが司令船から適切な命令を受信した際には変更することもできる。
  ドロイドを解放するとき、MTTは大きな前面ハッチからシリンダー状のドロイド収納ラックを突出させる。ラックには112体のバトル・ドロイドが折りたたまれて収納されており、これらはドロイド司令船からの命令を受信すると体を広げて攻撃を開始する。
  MTTは大型で重いため、リパルサーリフトを作動させるには強力なパワー・ジェネレータが必要になる。エンジンと冷却システムからの排気は車体下部の通気孔を通過し、奇妙で恐ろしい形をした雲を形成しながら排出される。

   
 

TRADE FEDERATION LANDING SHIP
通商連合上陸艇

褐色をした全長370メートルの通商連合C-9979上陸艇は、標準的な商業貨物艇とよく似た構造をしている。だが、これらはAATやMTTなどの重い貨物の運搬にも耐えられる必要があり、卓越した能力のリパルサーリフト(反重力装置)を取り付けるなど、大幅に改造されているのだ。
  上陸艇で運ばれる貨物の大部分は、二枚の巨大な翼の内部にあるガレージ路に置かれている。着陸中はリパルサー・トラックが運搬車両を上陸プラットフォームにまで誘導し、貨物はそこで再編成され、降ろされる。運搬車両やドロイドが艇を出る前には、メイン・ハッチが自動的に防御フィールド・センサーを起動し、地雷や電磁フィールドなどの危険物をスキャンする。また、修理や整備施設に充てられているエリアもあり、専用のプログラムをされたバトル・ドロイドたちよって破損した貨物の修理なども行われている。

   
 

STAP (Single Trooper Aerial Platform)
スタップ

スタップとは、偵察や空中での攻撃任務を受けた通商連合のバトル・ドロイドを1体乗せられるように設計された小型リパルサーリフト艇である。ツイン・ブラスター・キャノンで武装され、逃走する民間人などの小さな標的を追跡することに適している。極めて身軽な兵器であるため、密林から沼地まで、ほとんどの環境において素早く移動することができる。通常はより大きな部隊を支援するために配置され、連合軍の前方で抵抗する敵部隊の捜索を行っている。

   
 

TRADE FEDERATION AAT (Armored Attack Tank)
通商連合 AAT

全長9.75メートルのAATは、通商連合の上陸軍で最も恐ろしい兵器である。強力な主砲と補助レーザー・キャノン以外にも6本の砲塔を備えており、発射された砲弾はプラズマ照射を起こしてスピードと破壊力の双方を増大させる。しかし、弾頭がなくなると安全な上陸艇か戦艦に戻り、下部を完全に取り外して弾頭を充填したものと交換しなければならない。
  AATは前線での戦いを考慮して設計されているため、メイン反応炉や動力システムは防御のために車体後方に取り付けられている。乗員のドロイドは小型のコクピットに入り、通常はパイロットが双眼鏡型カメラや潜望鏡型スキャナで戦場の視覚データを収集するが、カメラが破損した場合はドロイドがフロント・ハッチを開け、直接状況を観察することもできる。ナブー侵略作戦はAATを利用した初の本格的な戦闘だった。しかし、これに先立って広範囲なテストも行われていたため、多くのAATには戦いによる傷跡が刻まれていたのである。

   
 

BONGO
ボンゴ

グンガンの居住地間を移動するために使われるボンゴは、水中での利用に特化して設計された特殊な乗り物である。後方の尾びれのようなものを旋回舵と連動して回転させ、水を高度な電動フィールド内で循環させることによって推力を供給している。また、乗員と貨物を保護する3つのポッドの上には静水フィールドが突き出しており、そこでは浮力が生成されている。耐久性もある程度は考慮されているが、ナブーの核(コア)に潜む巨大なモンスターには対抗することができない。そのため、グンガンたちは核を通過することを恐れているのだ。
  未使用時のボンゴは特製のボンゴ・ベイに係留されている。グンガンの居住地にある他の建造物と同様に、ボンゴ・ベイも巨大な気泡ドームでできており、特殊な膜でできた門を通過して出入りを行っている

   
 

NABOO ROYAL STARSHIP
ロイヤル・スターシップ

ロイヤル・スターシップの主な目的は、アミダラ女王をナブーから銀河全域のあらゆる目的地に安全に護送することである。このため、船には高度なセンサーと通信装置、強力なシールド、高性能エンジンが装備されており、緊急時にも修理が行えるよう、8体以上のアストロメック・ドロイドも搭載されている。また、女王が目的地に正装で到着できるように室温調整装置を内蔵した衣装コンテナも備わっている。
  機能面以上に、ロイヤル・スターシップには芸術作品としての意味合いが強く、ナブーの文化的側面を反映している。ナブーは平和な惑星であるため、このスターシップには一切の武器が搭載されていない。曲線美と輝くクロームの船体、そして洗練された内装はナブーの芸術的要素を模倣しているのである。
  全長75メートルのロイヤル・スターシップはナブーの戦いの約6年前、この惑星の首都シードで製造された。当時はヌビアン・エンジンを含む内部部品を他の惑星から調達したが、ヌビアンの技術は銀河系全域で使われており、共和国に属するほとんどの惑星で簡単に入手することができる。しかし、タトゥイーンのような辺境の惑星ではなかなか見つからず、極めて高価なのだ。

   
 

NABOO N-1 STARFIGHTER
N-1 宇宙戦闘機

ロイヤル・スターシップと同様に、N-1・スターファイターは効果的な宇宙船であると同時に素晴らしい芸術作品でもある。クローム製の機首を配した滑らかな黄色いデザインはナブーの感性を反映しており、大幅な改良によって放射物質を減少させ、ナブーの大気圏内を保護している。
  N-1は女王の宇宙船と同じくシード宮殿の宇宙船製造工場で開発されたものであり、ヌビアンの部品を多用している。ロイヤル・スターシップの護衛も重要な役割であり、高性能なハイパードライブとアストロメック・ドロイドの補助によってどこへでも追従することが可能である。2つのエンジンから伸びている長く尖った突起は冷却用のヒート・シンクである。また、中央部から伸びる「尻尾」は、シード宮殿のハンガーにあるソケットに直接係留させて使うこともできる。これらのソケットはスターファイターの充電や、暗号化された指令伝文や命令書などのデータ転送も行っている。

   
 

SITH INFILTRATOR
シス・インフィルトレーター

長い船首と曲がった二枚の翼を持つ邪悪な宇宙船、シス・インフィルトレーターはダース・モールの専用宇宙船である。インフィルトレーターはシーナー社で開発された軍用クルーザーの設計に基づいて造られており、その最も大きな特徴はクローキング装置である。
  この船は高価なクリスタルから得られるエネルギーによってクローキング装置を作動させ、敵のあらゆるセンサーから船体の姿を効果的に隠すことができるのだ。インフィルトレーターの搭載兵器は6基のレーザー・キャノンである。また、宇宙空間における推進力は強力なイオン・エンジンによって与えられ、さらに高性能ハイパードライブによって最も近代的なハイパースペース航行速度を出すこともできる。シーナー社は後に帝国軍のTIEファイターを製造することでも知られているが、インフィルトレーターの後姿を見れば、それがTIEシリーズの前身となっているのは明らかである。

   
 

ANAKIN'S PODRACER
アナキンのポッドレーサー

アナキン・スカイウォーカーの手作りのポッドレーサーは、ブーンタ・イブ・クラシックに出場したレーサーのなかで最も性能がよく、最も高速なものである。その秘密は再構築されたエンジンにあり、大量の燃料を燃焼装置から噴射することによって、すさまじい推進力を得ている。
  しかし、このエンジンは非常にデリケートであるため、簡単にオーバーヒートしてしまう。アナキンの設計はすべてが何かしらの根拠に基づいているが、部品はすべて捨てられていた不要品をリサイクルしたものである。たとえば機動性向上のために主タービンの通気孔の周りにあるエア・スコープが改造されているが、実はこのエア・スコープはワトーがドレッドン・ザ・ハットから購入した軍需品の余りの中で見つかったものだった。最高時速940キロ以上のこのポッドレーサーは、アナキンを優勝に導いたが、その直後、クワイ=ガン・ジンによって、レースの最終ラップで自分のポッドを破壊されたセブルバに売却されている。

   
 

SEBULBA'S PODRACER
セブルバのポッドレーサー

セブルバの<マンモス>と名付けられたポッドレーサーは、その名のとおり巨大なエンジンを搭載しているが、その他にも彼の勝利を確実なものとするための違法な改造に溢れている(もちろん調べられれば即座に失格となるが)。そして、エンジンの状態を監視するデータ転送バンクに囲まれたコクピットには、こうした様々な機能を操作するための無数のペダルやレバーも取り付けられている。
  多くの違法改造のなかには、相手のレーサーのエンジン計測器を混乱させるセンサー妨害装置、接近してきたライバルのレーサーに鋭い弾丸を打ち込むネイル・キャノンなどがあり、ときには鋭利なカミソリ刃を使うこともあるという。だが、一番恐ろしいのはセブルバ自身の残虐さと操縦テクニックだ。セブルバのポッドレーサーはブーンタ・イヴのレースでコクピットを除いて激しく損傷してしまった。しかし、この悪賢いダグはクワイ=ガン・ジンからアナキンのポッドレーサーをうまく購入する。だが、アナキンに負けて以来、以前は英雄だった彼の評判もすっかり落ち込んでしまった。

   
 

SITH SPEEDER
シス・スピーダ

シス・スピーダーはダース・モールが使用するリパルサーリフトを用いた1人乗りの小型スピーダーバイクである。このスピーダーは速度と機動性を最優先するために比較的シンプルなデザインをしており、一切の武器や、センサー、シールドが取り付けられていない。
  高性能エンジンを用いることによって時速650キロまで急加速することができ、急旋回、急停止も可能である。一方で小型なデザインは敵による捕捉を非常に困難なものにしている。通常、モール卿はこのスピーダーを敵への急襲や追跡のために使用している。操縦席が開放的になっているため、直接離脱して即座に戦闘を開始することができるのだ。

   
 

FLASH SPEEDER
フラッシュ・スピーダー

フラッシュ・スピーダーは、ナブーの王宮警備隊で市外警備のために使用されているランドスピーダーである。機動性があり、比較的高速なフラッシュ・スピーダーは、犯罪者の追跡や緊急時での対応に関して完璧な役割を果たしている。1基のレーザー・ブラスターを装備しているが、これが使用されることはほとんどなく、必要時には武装した志願兵を4人以上乗せることができる。
  ほぼ無防備であるため速度と機敏さに頼っており、険しい地形での走行には適していないが、シードの平坦な通りを走行するには理想的な存在である。劇中ではナブーがグンガンと和解した後、作戦会議の前に通商連合軍の状況を偵察するために使用されていた。

   
 

GIAN SPEEDER
ジアン・スピーダー

ジアン・スピーダーはナブーの王宮警備隊による群集制御、市街地での戦闘、ナブーの野生地帯での走行などに使用される武装ランドスピーダーである。3基の連射式ブラスターを装備したジアン・スピーダーは戦闘用輸送車として適しており、かなりの殴打にも耐えられるよう設計されている。さらに底部装甲によって、地雷や爆発、自然の危険要素からも機体を保護されている。また、司令機として用いられるジアン・スピーダーには、戦略検討用のホロ・プロジェクター装置も備わっている。
  劇中ではナブーとグンガンとの共同作戦会議の際に使用され、その後もシード宮殿前で連合軍の戦車への攻撃に使用されていた。